第2回平安時代女流文学「紫式部」「源氏物語」について
講師:榊原金市 先生講義の内容の要録
1.藤原家の栄華について
・藤原道隆が娘定子を一条天皇の中宮として嫁がせたが、道隆亡き後、弟道長が対抗して娘彰子を同じ一条天皇に嫁がせた。
・道長は優秀で出世も早く、娘三人を一条天皇、三条天皇、後一条天皇に嫁がせ「一家三中宮」となり、宮中の支配者となる。
2.源氏物語概要
・「源氏物語」は54帖からなる世界初の長編小説。
<第一部>:「少青年期」(誕生~38歳)
桐壷天皇の皇子として誕生。その美貌により義母藤壷のみならず、魅力的な女性と不倫、恋愛を繰り返す。そして、最愛の「紫の上」を正妻とする。
<第二部>:「壮年期」(38~55歳、没)美しい少女に魅せられ熱愛し、「紫の上」は心痛の上病死。
一方、光源氏の不倫の息子「薫の君」が誕生。光源氏は義母に犯した不倫の罪に後悔し、仏門に入門、没する。
<第三部>:「その後」(光源氏没後)「薫の君」は恋ライバル「匂の宮」と恋人を取りつ取られつ、父光源氏同様不倫恋愛を繰り返す。
3.紫式部の生涯
・誕生:宮廷貴族藤原為時の娘。清少納言、和泉式部同様高等教育を受ける。
・結婚:26歳の晩婚で、貴族藤原宣孝49歳で妻三人と結婚。しかし、2年後宣孝は病死する。在宅中、「源氏物語」(54帖からなる世界初の長編小説)の執筆を開始。
・宮中勤務:32歳。藤原道長から娘中宮彰子の女房として、宮中出仕を依頼される。宮中で「源氏物語」を書き続け、評判となる。
・宮中退廷:36歳。一条天皇、中宮彰子の退任により紫式部も宮中を退出。
・最後:41歳。死去。