ユニークな紙芝居作り–世代間交流にひと役
ナレーターをつとめる別所さん(左)と岡本さん
世代間交流を通じて、活力のある地域社会及び豊かなコミュニティの実現に貢献するというＮＰＯ法人はばたけ千早の設立目的に寄与するため、法人の事業部の一つである語り部のメンバー12名が、それぞれの得意分野と人生経験を基に手作りの紙芝居を製作してきました。小中学生、お年寄りと交流し、対話を通じて、子供たちの好奇心をかき立て、情操教育の一助ともなればと願い、またお年寄りとの交流によって活性化を図るなど「次世代につなごう豊島の今昔」という部会のキャッチフレーズに向かって活動をしております。
紙芝居を手作り
○平成２２年度から活動を始め、紙芝居の第１作「はたけものがたり」、第２作「ちいさい桶（民話）」、第３作「千川上水ものがたり」、第４作「今を生きる」、第５作「としまくの電車」５作品を作成いたしました。
テーマの選択、シナリオ、絵、ナレーター、紙芝居の枠等全て語り部部会のメンバーの手作りですが、また多くの方々の知見をいただいております。（毎年度１作品完成を目標としております。）
○区民ひろば千早の活動の原点でもある「はたけ」を通じた子どもたちとの交流、食の大切さ、「いのち」の大切さ、「いのち」の大切さを描いた第１作「はたけものがたり」豊島区の民話「ちいさい桶」と昭和のはじめの頃の子どもたちの遊びを紹介したり一緒に遊んだりする第２作、そして第３作は、千川上水の成り立ちとその変遷、役割を孫娘サクラとそのおじいちゃんとのやり取りで分かり易く解き明かし、また水のいろいろな絵、例えば雪の結晶とか、ナイアガラの滝、カピバラと温泉等の姿を通じて子どもたちの好奇心をかき立て、水の大切さをそれとなく気付かすようにしております。
第４作の「今を生きる」はカンボジアの内戦と戦争という「みのりの無い」事象の中で如何に子どもたちがすごしたか、またどのような経験をしたかを現在、未来に伝えたいという思いで構成しました。紙芝居のキャラクターである孫娘のサクラちゃんとおじいちゃんと語り部部会のメンバーとのやり取りの中で、学童疎開という事実を中心に物語を展開しております。
第５作の「としまくの電車」は池袋を中心に発着する電車や、地下鉄、都電で唯一運行されている路面電車「都営荒川線」について、おじいちゃんと孫娘のサクラちゃんとのやり取りの中で、子ども達の好奇心をかきたてるような構成にしております。
100回以上の公演実績
○区教育委員会指導課の助力を得て区内小学校で各学年に応じて紙芝居公演を、また特養ホーム、愛の家ファミリーホーム、町会青年部フリーマーケット、保育園、幼稚園、中学校等、平成２３年度から現在まで１００回以上公演を実施しております。
○ＮＨＫ「いっと６けん」、テレビ東京「すなっぷ」、としまテレビに取り上げられるなどの励みになることもあり、毎月一回語り部部会会議を開催するなどして研鑽をつんでおります。
○平成２３年１２月２０日「豊島区区民文化活動優良団体」に認定され平成２６年度も更新認定を受けております。
○カンボジア・プレアビヒア寺院付近の世界遺産に登録された環境の中で、ボランティア活動をされているＮＰＯ法人アジアの誇り・プレアビヒア日本協会理事、吉田恒昭氏と知遇を得たことをきっかけに、私たちのメンバー（絵担当）が協力して「森と共に生きる」というカンボジアの絵本を現地で子どもたちにも分かり易く日本の紙芝居に直しました。
平成２６年の春より現地の子どもたちが喜んでこの紙芝居の公演に参加し植樹に協力しているとの情報を得ております。また「エコ村みんなの学校農園」と題して、カンボジアでの野菜作りについて、区民ひろばはたけ部会の経験を生かした紙芝居を作成し、平成２８年度後半には現地で公演されることになっており、紙芝居を通じて国際貢献をしております。
「夢を育む トキワ荘のヒーローたち」がついに完成
○平成26年夏に”夢を育む”トキワ荘のヒーローたち（仮題）を作成すべく活動を始めました。企画の段階では思いも及ばなかった様々な課題にも直面しました。しかし子どもたちに、トキワ荘で夢を育んだ若きマンガ家たちの生き様を伝えたいという我々の思いは強く、どのように伝えられるかを探り、またトキワ荘に関連する方々、多くのプロダクションのご指導、ご指摘を受けながら、少しずつ前進をしていきました。
○NPO法人はばたけ千早及び語りべ部会の活動の認知から始まり、紙芝居作成の意図、企画書の概要、キャラクター使用の可否、シナリオ、絵コンテを用いての説明、子どもたちにとって平易でわかりやすい紙芝居の構成、その他様々な課題に取り組み、勉強しました。足掛け４年を経て完成した作品です。
○今後は公演を重ねながら、さらに研鑽を積み、豊島区の文化遺産であるトキワ荘に住んだ10人の若き漫画家たちの目指し、育んだものを子どもたちに伝えるという我々の思いを具現化すべく努力を続けようと思っています。
