8月28日(土)に榊原金市氏による講演と三遊亭吉窓師匠による落語・寄席踊りの催しがありました。

榊原さんの講演は区民ひろば千早が開催している歴史シリーズの一環で、今回は「最古の木造建築 法隆寺」がテーマ。法隆寺は西暦607年に聖徳太子によって建立され、1993年にユネスコ世界遺産に登録されたことは、私たちがよく知る通りです。

榊原さんが強調されたのは、法隆寺にはギリシアや西アジアなどの文化が結実していること。約1400年前の姿がそのまま残っている法隆寺西院伽藍をぐるりと一周する形で、榊原さんが紹介していきます。飛鳥時代独特の深いひさしが見られる南大門、中門のエンタシスや金剛力士像を紹介した後、南回廊、東回廊と廻り、金堂へ。金堂の美しさは二層と一層の比率が1対√2となる「大和比」が採用されているためとか。話は軒裏の雲形をした木組みや高欄の美しさにも及びます。

講堂から五重塔へ巡ると、再び飛鳥時代の建築デザインの美しさが紹介され、また、塔の下には仏舎利が収められているそうです。そして西回廊をめぐると飛鳥建築の美しさを隅々まで紹介していただいた法隆寺巡りの旅が終わります。榊原さんは法隆寺には何度でも行きたいそうで、私たちも一緒に行ける日がくればと思わずにはいられませんでした。榊原さん、どうもありがとうございました。今後のシリーズも楽しみです。

後半は一転して、三遊亭吉窓師匠の落語です。マクラは最近の話題でやはりコロナのお話。法隆寺に引っ掛けて、「消毒太子」の洒落も。お話は「禁酒番屋」。酒を注ぐ仕草や酔っていく様など、流石の芸で楽しませてくれました。最後に、寄席踊りを披露。「ずぼらん」という踊りでは、坊さんの滑稽味にあふれた仕草が笑いを誘って、今日の催しに花を添えてくれました。